稀少なMade in USAを身に纏う喜び
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- 10月27日
- 読了時間: 5分

「アメカジ」という言葉で真っ先に思い浮かべるのは何だろうか?おそらく多くの人がイメージするのは、ジーンズを着用したスタイルではないでしょうか。ジーンズの歴史は古く、1870年代のアメリカのゴールドラッシュにまで遡ります。まさにアメリカの発展と共に歩んできた象徴的なウェアとも言えます。日本においては、第二次世界大戦後の1945年頃にアメリカ兵が持ち込んだ物がきっかけで、Gパンとして広まり日本人のファッションにおいても無くてはならない存在となりました。現在では、日本の倉敷などがジーンズの有名な生産地として知られ、シャトル織機のデニム生地とヴィンテージミシンで縫製された拘りのある国産ジーンズは、海外でも高い人気を誇っています。元々はアメリカで誕生したジーンズですが、昨今は拘りのあるアメリカ製ジーンズを目にする機会は少なく、逆に稀少な存在となりつつあります。今回は、生地から縫製までMade in USAに拘ったPENNEY’S FOREMOSTのジーンズを紹介致します。
PENNEY'S FOREMOSTとは

PENNEY'S FOREMOSTというブランドについて少しご紹介させて頂きます。PENNEY’S FOREMOSTは、アメリカを代表するゼネラルストア「J.C.Penney」が展開したプライベートブランドのひとつであり、1940~1960年代頃に掛けてデニムを中心にリリースされていました。世界的に有名なデニムブランドのジーンズとは異なる独自のスタイルで、古着好きの一部の層からマニアックな人気を得ています。
母体であるJ.C.Penneyは、1902年にワイオミング州でジェームズ・キャッシュ・ペニーらによって創業され、FOREMOSTの他にもPenney'sやTOWNCRAFT、BIG MACやPAY-DAYなどいくつものプライベートブランドを展開しており、「Montgomery Ward」や「Sears」と共に『3大ストアブランド』と呼ばれ、当時作られた製品の数々は古着市場でも高い人気を誇ります。
現在は、当時のアーカイブを収集し、生地や縫製、ディテールなどを徹底的に研究し現代的にアップデートされたアイテムとして日本で企画されています。
2017年に閉鎖されたホワイトオーク工場製の貴重なセルビッジデニムを使用

PENNEY'S FOREMOSTのデニムは、2017年末に惜しまれつつも閉鎖となったコーンデニム社のホワイトオーク工場の生地を使用しています。1905年の創業から100年以上に渡り稼働し続けた、アメリカを代表するデニム生地の生産工場として知られていました。ノースカロライナ州・グリーンズボロを拠点とした巨大なホワイトオーク工場では、シャトル織機によるセルビッジデニム(耳付きのデニム)が生産されており、後にヴィンテージと呼ばれる事となるジーンズの多くに、このホワイトオーク工場製の生地が使われていました。1970年代頃になるとシャトル織機から生産性の高い織機への入れ替えが進み、シャトル織機の需要は減少していきます。時代は流れ、シャトル織機を使用したジーンズの魅力が再認識され、世界的な人気が高まると共に、セルビッジデニムの本家ともいえるホワイトオーク工場製の生地への注目も高まる事となります。全盛期と比べると僅かな台数ながら、シャトル織機を再稼働させて生産されたデニム生地は、日本を始めとする世界中のブランドに求められましたが、ホワイトオーク工場は2017年末に惜しまれつつも、その長い歴史に幕を下しました。
2017年に工場は閉鎖されましたが、閉鎖までに生産され、未使用の状態で保管されていた生地は、いわゆる「デッドストック」として現在も僅かに流通をしています。PENNEY'S FOREMOSTでは、このホワイトオーク工場の稀少なデッドストック生地を使用しており、ジーンズとデニムジャケットには、その証であるWHITE OAK / CONE DENIMのタグが縫い付けられています。
14ozのセルビッジデニムを採用したジャケットとジーンズ

当店で取り扱っているモデルは、ジャケットとジーンズ共に14ozのセルビッジデニムが採用されています。色も濃くコシ感のある生地で、セルビッジデニムの魅力でもある「タテ落ち」(穿き込む事で縦方向に現れる、線の様な色落ち)にも定評のある生地です。
ユニオンスペシャルミシンを使用したロサンゼルス工場製

使用する生地だけではなく、裁断から縫製まで全てアメリカ製に拘っています。ロサンゼルスの縫製工場で、当時も使われていたヴィンテージのユニオンスペシャルミシンを用いて縫製されています。画像はアームホールの内側を撮影した物ですが、これらの主要部分には2本針のチェーンステッチミシンによる巻き縫いが施されています。2本針のチェーンステッチによる巻き縫いは、綿糸による縫製が主流だったヴィンテージに見られる仕様で、生地を重ねて巻き込み、2本針で縫う事により縫製部分に強度を出しています。チェーンステッチの鎖状の下糸には伸縮性が生まれるため、動きの多いアームホールなどにも適した縫製となります。
マニアックなディテールも魅力

デニムジャケットのフロントボタンやジーンズのトップボタンには、スナップボタンが採用されています。これは1950年代の限られた時期に生産されたモデルの仕様を再現したもので、PENNEY'S FOREMOSTならではのマニアックなディテールと言えます。
1950年代をベースに、1940年代以前のシンチバックを採用

当店に入荷したジーンズは、1950年代のモデルを元にした太く無骨なスタイルのストレートモデル。腰の部分には、シンチバックというウエスト部分を絞る尾錠が付いていますが、本来は1940年代以前のヴィンテージに見られるディテールです。ベルトを使用する現代では使う用途はありませんが、ヴィンテージらしさを与えるディテールとして採用されています。
1950年代のスタイルに1940年代のディテールを加え、アップデートしたモデルとして人気があります。
サイドシームにはセルビッジ

ジーンズのサイドシームには、セルビッジデニムの証である生地の耳が使われています。ロールアップした時に少し見える赤い耳糸も良い雰囲気です。
貴重なヴィンテージが掲載された資料本「COLLECTION BOOK 1927」

PENNEY'S FOREMOSTやTOWNCRAFTを始めとする、J.C.Penneyのプライベートブランドの貴重なヴィンテージを掲載した資料本「COLLECTION BOOK 1927」。FOREMOSTのヴィンテージも多数掲載された魅力的な1冊です。全143ページ ¥6,600(税込)
残り僅かですが、こちらのサイトのAccessoryページでも販売中です。
今回ご紹介したデニムジャケットとジーンズも、こちらのサイトのショップページからご購入頂けます。宜しければ是非ご覧ください♪
・PLEATS JACKET 1st ONE WASH ¥47,300(税込)
・BACK STRAP 5POCKET PANTS ONE WASH ¥38,500(税込)




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